反知性主義

反知性主義というのは「他人から知的に誠実な人だと思われるために努力する気がない」という心的傾向のこと

科学的な人は、きちんと反証されれば、誤りを認める。科学的でない人は、それができない。知性と反知性の違い、科学と非科学の違いはつきつめて言えばそれだけです。

「知識は無から-白紙の状態(タブラ・ラサ)から出発するのでもなければ、観察から出発するのでもない。知識の進歩というのは、主として、それ以前の知識の修正によって成り立つ。」(「知識と無知の根源について」、『推測と反駁』、藤本隆志他訳、法政大学出版局、1980年、49頁)

仮説が反証可能なかたちで提出されているかどうか、それだけが科学性のチェックポイントです。

科学者が個人として中立的で、不偏不党であり得るとしたら、それは本人が「私は中立的だ。いかなる党派的なものにも与しない」とうるさく主張するからではありません。そうではなくて、おのれの仮説の正否の検証は、自分が行うものではなく、公共的なある場に差し出して、その判定に委ねるということを誓言しているからです。

<内田樹の研究室より引用>